技術士受験講座
合格へのポイント
 

経験論文の押さえどころ
 合格への近道は、やはり経験論文で高得点を得ることでしょう。技術士第二次試験で一番のポイントであり、一番の悩みどころである経験論文についての注意点をお知らせします。

受験申込書の書き方
 多くの資格試験の場合、受験申込書は住所、氏名に始まり既取得資格の羅列までくらいではないでしょうか。技術士試験では最初に提出する「受験申込書」が大きな意味を持ちます。中でも「業務経歴」の記入内容如何では経験論文や口頭試験に大きく影響してきます。
  例年、受験生の中で業務経歴欄を適当に書いたために苦労される方が多数みえます。技術士試験は自分自身の過去の業務の棚卸しの機会と捉えても間違いないでしょう。
  従って受験申込書を書いた時点でほぼ受験の方向性が決定するといっても過言ではありません。

職務内容の書き方
 10行しかない職務内容欄を有効に使うにはどう書いたらいいでしょうか。
経験論文の題材候補は最低3業務はリストアップしこの中に入れておくことが必要です。受験準備の途中で題材変更をしてもよいためです。あとは多種の業務を散りばめて記入します。一番上の欄は何年分もまとめた記述とします。注意しなければならないことは絶対に空欄を作らないことです。空欄とすることは自ら業務経験が少ないと宣言するようなものです。
  職務内容に「工事名」を書く人がいますがこれもピント外れです。工事の内容ではなく、あなたが行った職務の内容を書きます。「軟弱地盤上の高盛土を含む高速道路工事の設計、計画、施工指導」のように職務の内容を簡単明瞭に記述してください。ここでのポイントは技術士法第二条に出てくる計画、研究、設計、分析、試験、評価、指導を織り交ぜて記入することです。

技術士にふさわしい業務
 経験論文に取りかかるときに、ほとんどの人が考え込んでしまう事の一つに「自分は技術士にふさわしい業務をやっているのだろうか?」「何を書いたら経験論文になるのだろうか?」という点です。
  技術士に求められているのは「高等の専門的応用能力」です。従って、応用能力を発揮しなかった業務は技術士にふさわしい業務とは言えません。受験生の中には、すごく大きな工事や注目される工事のみをPRされる方がみえますが、それだけでは不十分です。その工事の中で「あなたが直面した専門的応用能力」について書くのが経験論文です。
工事の内容を書くのではないことに注意してください。

タイトル
 経験論文の候補も絞り込み、いよいよ書き込み、と意気込んだものの「タイトル」を何としようか?簡潔なタイトルが良いことはわかっているのですが、どうしても説明が長くなりがちです。
  極端な例として工事名を書く人もいます。現にそうしなさいと教えている通信教育の講師もいます。ハッキリ言っておきますがこれは間違いです。タイトルは、これから説明しようとしている経験論文の内容が一目で一読して読みとれるものにする必要があります。タイトルを読んだだけで内容が推測できるものが最高ということです。
  コツとしては一番最後、すなわち経験論文が完成してからタイトルを付けるのがベストです。構想段階では、最初の1行目を空欄にして書き始めていただいて結構です。経験論文が練られてくれば、タイトルは自然に浮き上がって来ます。

業務の内容
 経験論文に求められているのは「業務の概要」です。受験生の多くは「工事の概要」を書いてしまいます。工事の内容について細かい数字を用いて明細を説明しています。
  しかし、その工事の中で「あなたが何をしたか?」の説明もなく、技術的問題点へ進んで行ってしまいます。まず第1にあなたがその工事の中で何を行ったか「業務」を書かなければなりません。
  その業務を行う上で困ったことが技術的問題点となります。ここのところは論文の導入部となりますのでよく吟味してください。

技術的問題点
 論文に取りかかるときに、とまどうことの一つに「技術的問題点」として何を挙げたらいいのか? ということがあります。ほとんどの受験生が「工事」を進める上での問題点を挙げます。「工期が迫っていた」「通行規制が思うように取れず、作業ができなかった」などです。そしてその工事を進めるために取った処置を書かれます。
  しかし、ここで求められている技術的問題点とはそのような事例ではありません。「あなたが体験した業務」について記述することが求められているのです。したがって、前述した工事上の問題点の中であなたが行った業務内容について書かなければなりません。
  この点をよく理解してから取りかからなければ経験論文が単なる工事報告書の内容となってしまいます。

 工事を進める上での問題点は、会社を含めて担当者全員の問題点であり、工事上の問題点です。したがって会社としてあらゆる手を尽くし解決します。その中で自分が担当した業務の問題点は自分が主体となって解決しなければなりません。
  これが業務上の問題点です。ああやったらいいか?こうやったらいいか?と試行(思考)錯誤します。これが技術的課題であり、技術的解決策(対策)です。経験論文の主役は「あなた」です。ですからどんな小さな工事であろうとあなたが試行錯誤した業務の事例であれば十分に経験論文の対象となるわけです。

技術的解決策
 技術的解決策をどう書くか?これが経験論文のすべてと言っても過言ではありません。ここまでに説明してきたことはすべて既定の事実であり、状況説明でしかありません。そこでどう考え、どう対応したかは「あなた」次第です。
  読む人に理解してもらうには、技術的問題点とリンクして記述する方法が最適でしょう。問題点を@,Aとして挙げたのなら対応策も@,Aとして説明する方が良いでしょう。記述内容は「あなたが考え、実行したこと」これ以外には有りません。対応策の記述内容は合否の大きなポイントとなります。

経済的効果の記述
 技術的解決策の最後には経済的効果を記述してください。技術士にふさわしい業務をやり終えたわけですからその成果を形として示してください。一般的によく書かれるのがコスト削減や工期の短縮などです。
多くを書く必要はありません。2〜3行くらいで良いでしょう。

現時点での評価
 「現時点での評価」と言われてもすぐにはピンときませんね。ここのところは年度によって若干の変化が見られるところです。「現時点での反省」となったり「将来の見通し」となったりします。ほとんどの人が原稿を暗記して試験に臨まれますので、急に質問事項が変わるとあわててしまいます。
  そうならないための準備としては「現時点での評価」として記述出来るようにしておくことだと思います。経験論文の大部分は過去の話を書いています。業務の内容・技術的課題・技術的解決策、これらはどれだけすばらしい内容であってもすべては過去の話しです。
  しかし、「あなた」は今現在の自分が技術士としての能力・資質があることを証明しなければなりません。従って、過去の話しについて現時点でどう思っているかを書くわけです。ここの記述内容が貧弱だと、過去は技術士の能力があったけれども現在はそうでもないな。となってしまいます。「今どう考えているか」を強くアピールしてください。

今後の課題
 選択科目によっては、最後の設問として「今後の課題」を問われることもあります。これは上記で説明した「現時点での評価」の延長と考えても良いでしょう。
  技術的解決策としてどのように考え、どのように対応したかが明確になっていれば、その事項について事前予防的な工法を提案するような記述が必要と思います。

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